ホロスコープの理論


 ホロスコープとは、ある時点での太陽・月・惑星・黄道12宮などの配置を、図に示したものであり、この図を解釈することが、占星術の基本となります。

 ここでは、ホロスコープの基本原理について、その概略を説明します。


☆ホロスコープの作成の手順

 とりあえず、ホロスコープの作り方について、簡単に説明しておきます。

 1.生年月日時刻を基に、天体位置(黄経値と赤緯値)を計算する。

 これは、天文学での計算方法を利用します。計算理論を詳しく知りたい方は、占星術ではなく、天文学の本を参考にして下さい。
 ちなみに、赤緯値は、アスペクトのパラレルを考慮しない場合は、計算する必要はありません。

 2.生年月日時刻と出生地を基に、ハウス位置を計算する。

 このハウスという概念は、占星術独自のものであり、天文学の本には載っておりません。ちなみに、現代においては、17世紀に発明された「プラシーダス」と呼ばれるハウス計算方法が主流になっていますが、その理論をここで説明するのは面倒くさいし、そう簡単に理解できるものでもありませんので、もし興味のある方は、直接、店まで聞きに来てください。シャドゥが図を書きながら説明してあげます。(ただし、ある程度の天文計算の基礎知識がある方に限定させて頂きます。)
 そのうち、ヒマになったら、説明文をUPするかもしれませんね。(^^;

 3.上記の計算結果を、ホロスコープ図に書く。

 ホロスコープの図の書き方についても、色々な方法がありますので、占星術の適当な本を参考にして下さい。要は、どのような図の書き方であっても、それに含まれる内容は変わらないので、自分にとって一番見やすい書き方をすれば良いのです。
 ちなみに、ミステリーアートでは、独自の書き方をしています。

 4.得られた図を、解釈する。

 ここでは、具体的な解釈については述べません。
 なお、解釈に参考となる情報を、以下に述べておきますので、占う際の参考にして下さい。


☆星座と、その分類、意味について

 占星術では、星座として、古代バビロニアが発祥の「黄道12宮」を使用します。これは、実際に星空(天球)にある星座というよりも、黄道(天球上の太陽の通り道)を、春分点を原点として12分割した、仮想的な星座です。天文学的に言うと、「地心黄道座標系の黄経値」で、以下の星座の領域が決まります。

黄経値(以上〜 未満)

宮の名称

一般名(星座名)

 0゚〜 30゚

白羊宮(はくようきゅう)

おひつじ座

30゚〜 60゚

金牛宮(きんぎゅうきゅう)

おうし座

60゚〜 90゚

双児宮(そうじきゅう)

ふたご座

90゚〜120゚

巨蟹宮(きょかいきゅう)

かに座

120゚〜150゚

獅子宮(ししきゅう)

しし座

150゚〜180゚

処女宮(しょじょきゅう)

おとめ座

180゚〜210゚

天秤宮(てんびんきゅう)

てんびん座

210゚〜240゚

天蠍宮(てんかつきゅう)

さそり座

240゚〜270゚

人馬宮(じんばきゅう)

いて座

10

270゚〜300゚

磨羯宮(まかつきゅう)

やぎ座

11

300゚〜330゚

宝瓶宮(ほうへいきゅう)

みずがめ座

12

330゚〜360゚

双魚宮(そうぎょきゅう)

うお座

 この12の星座の分類方法の基本として、以下の3つがあります。

 (1) 2区分(性別)

・男性宮:男性的、積極的な気質
・女性宮:女性的、消極的な気質

 (2) 3区分(品質)

・活動宮:行動的、物事の始まり
・不動宮:静的、精神的、物事の成熟
・柔軟宮:受動的、物事の変化

 (3) 4区分(元素)

・火の宮:情熱的
・地の宮:現実的
・風の宮:理性的 (「風」は、元素としては「空気」の属性を持ちます)
・水の宮:感情的

 ちなみに、この4区分の元素は、以下の性質に分類されます。

・火 :熱にして乾
・地 :冷にして乾
・風(空気):熱にして湿
・水 :冷にして湿

 なお、これらの区分は、古代ギリシアに起源を持つものです。古代ギリシアの哲学者であるアナクシメネスの説によれば、

「万物は空気から生じる。人間の魂は空気であり、それと同様に全宇宙は空気に満ちている。空気が濃くなると風や雲が生じ、水になる。水は濃縮化すると大地や石になる。また、空気が薄くなると火になる。薄い空気は熱く、濃い空気は冷たい。」

ということです。(この説では、「風」と「空気」は区別されているようですが、この説による「空気」は、「万物の根元」という意味であり、元素としての「空気」とは別のものと考えることも出来ます。)

 とりあえず、上記の分類を、各星座に割り当てると、以下のようになります。

星座
2区分
3区分
4区分

白羊宮

男性

活動

火(熱にして乾)

金牛宮 

女性

不動

地(冷にして乾)

双児宮

男性

柔軟

風(熱にして湿)

巨蟹宮

女性

活動

水(冷にして湿)

獅子宮

男性

不動

火(熱にして乾)

処女宮

女性

柔軟

地(冷にして乾)

天秤宮

男性

活動

風(熱にして湿)

天蠍宮

女性

不動

水(冷にして湿)

人馬宮

男性

柔軟

火(熱にして乾)

10

磨羯宮

女性

活動

地(冷にして乾)

11

宝瓶宮

男性

不動

風(熱にして湿)

12

双魚宮

女性

柔軟

水(冷にして湿)

 星座の意味の概要について、次に示します。

星座
その意味

白羊宮

冒険的、情熱的、積極的、衝動的、自由奔放

金牛宮 

執着的、実務的、現実的、受動的、強情頑固、温厚

双児宮

知性的、言語的、行動的、利己的、強い好奇心

巨蟹宮

保護的、感情的、家庭的、閉鎖的、母性愛

獅子宮

権力的、情熱的、野心的、支配的、努力家

処女宮

現実的、完全主義、知性的、批判的、繊細

天秤宮

調和的、社交的、平和的、美的感覚、優柔不断

天蠍宮

探求的、秘密的、情動的、独断的、強い意志、復讐

人馬宮

直情的、楽天的、理性的、理想的、直感的、自由

10

磨羯宮

管理的、組織的、現実的、保守的、責任感、責任

11

宝瓶宮

革新的、知性的、独立的、人道主義、誠実、友情

12

双魚宮

情緒的、同情的、自己犠牲的、感傷的、二重人格


☆天体と、その意味について

 占星術では、基本天体として、8惑星と太陽、月の10天体を使用します。それ以外の疑似天体や小惑星を使用する場合もあります。

 以下に、天体の占星術的意味を示します。

天体名
その意味

太陽

生命、活力、本人、男性、父、権威、支配

感性、感情、内面、女性、母、変化、受容

水星

知性、鋭敏、雄弁、交流、順応、判断

金星

美、優雅、魅力、愛情、芸術、所有

火星

精力、勇気、活動、攻撃、情熱、災難

木星

成功、寛大、高貴、荘厳、膨張、発展

土星

堅実、忍耐、悲観、自制、制約、試練

天王星

独創、飛躍、自由、友愛、個性、変化

海王星

神秘、曖昧、幻想、霊感、流動、自己犠牲

10

冥王星

変革、啓示、死、再生、破局、動乱

 以下に、天体の照応関係を示します。

天体名
ギリシア神
ローマ神(英語読み) 物質

太陽

アポロン

アポロ

アルテミス

ディアナ(ダイアナ)

水星

ヘルメス

メルクリウス(マーキュリー) 水銀

金星

アフロディーテ

ウェヌス(ビーナス)

火星

アレス

マルス(マーズ)

木星

ゼウス

ユピテル(ジュピター)

土星

クロノス

サトゥルヌス(サターン)

天王星

ウラノス

カエルス

海王星

ポセイドン

ネプトゥヌス(ネプチューン)

10

冥王星

ハデス

プルトー

☆ハウスと、その意味について

 ハウス(室)というのは、大雑把に言えば、地上から見える天体の位置関係を示すものです。ただし、実際に見える位置を正確に示したものではありません。
 なお、ハウスの意味は、色々な解釈があるようですので、以下に述べたものが一般的というわけではありません。(そういえば、ハウス分割の方法も、色々とありますね。)

ハウス
その意味

第1室

「本人の室」 本人の運命、生き方、外見

第2室

「所有の室」 金銭感覚、財物管理能力

第3室

「知性の室」 知的才能、弁舌能力、兄弟関係

第4室

「家庭の室」 家庭環境、家族の愛情

第5室

「娯楽と創造の室」 幸運、快楽、恋愛、芸術的創作

第6室

「仕事と健康の室」 仕事、法的義務、健康状態

第7室

「結婚と協調の室」 結婚、契約、対人関係

第8室

「死と性の室」 死、遺産、セックス、神秘能力

第9室

「精神と旅行の室」 精神世界(学術、宗教)、遠距離の旅行

10

第10室

「天職と社会の室」 社会活動、社会的地位、職業

11

第11室

「友人の室」 交友関係、グループ活動

12

第12室

「障害と秘密の室」 障害、敵、秘密、潜在意識


☆星座、天体、ハウスの関係について

 星座と天体の関係についての重要な概念として、「守護星(支配星)」というものがあり、これにより、星座と天体の意味が相互に関連づけられています。占いの際には、天体がその守護星座にある時には、その天体の持つ意味が強くなると解釈すれば良いのでしょうが、ほとんど気にしない人もいます。
 なお、ハウスは、星座と1対1に対応しています。

星座
天体(守護星)
対応するハウス

白羊宮(おひつじ座)

火星

第1室

金牛宮(おうし座)

金星

第2室

双児宮(ふたご座)

水星

第3室

巨蟹宮(かに座)

第4室

獅子宮(しし座)

太陽

第5室

処女宮(おとめ座)

水星

第6室

天秤宮(てんびん座)

金星

第7室

天蠍宮(さそり座)

冥王星(火星)

第8室

人馬宮(いて座)

木星

第9室

10

磨羯宮(やぎ座)

土星

第10室

11

宝瓶宮(みずがめ座)

天王星(土星)

第11室

12

双魚宮(うお座)

海王星(木星)

第12室


☆アスペクトと、その意味について

 アスペクト(座相)とは、天体間の角度(黄経値の差)のことです。この角度の値により、天体の意味が少し変化します。
 以下に、2つの天体が作る代表的なアスペクトについて挙げておきます。この他に、3つの天体が作るアスペクトや、4つの天体が作るアスペクトなどもありますが、説明は省略します。
 なお、以下の表の角度の許容差(「±」の次の数値、「オーブ」と呼ばれている。)は、人それぞれの考えで決めているようです。ここではミステリーアートで使っている値を参考に示しておきます。

角度
分割数(注1)
アスペクトの呼び名
作用

0゜±5゜

コンジャンクション

互いに強調

30゜±1.5゜

1/12

セミセクスタイル

少し良い影響

45゜±1.5゜

1/8

セミスクエア

少し悪い影響

60゜±3゜

1/6 (2/12)

セクスタイル

良い影響

72゜±1.5゜

1/5

クインタイル

少し良い影響

90゜±3゜

1/4 (2/8, 3/12)

スクエア

非常に悪い影響

120゜±3゜

1/3 (4/12)

トライン(トリン)

非常に良い影響

135゜±1.5゜

3/8

セスクィクワドレイト

少し悪い影響

144゜±1.5゜

2/5

バイクインタイル

少し良い影響

150゜±1.5゜

5/12

クインカンクス

悪い影響

180゜±3゜

1/2 (4/8, 6/12)

オポジション

不安定、対立と緊張

赤緯差±1゜ (注2)

パラレル

少し強め合う

注1: 360゜を、その角度で割った値です。
注2:地心黄経差ではなく、地心赤緯の角度差が±1゜の場合です。


☆占星術についての個人的考察

 以下のものは、個人的な意見になります。

《占星術における人格の分類について》

 占星術における、人格の分類手法は、占いというものを抜きにして考えても、色々と興味深い点があります。一番面白いのは、「人は、生まれながらにして、性格が決まっている」ということですね。「三つ子の魂、百まで」という言葉がありますが、占星術の場合は、「赤子の魂、死ぬまで」ということになります。このような宿命論的な考え方は、現代科学でも、ある程度は支持されています。ただし、科学の場合は、「出生時の星の位置」ではなくて、「遺伝子」であると考えていますけど。

《太陽星座による占いについて》

 占星術において、一番簡単な占い方法としては、「出生月日」により、出生時に太陽が位置していた星座を割り出し、その星座に割り当てられた性格で占う、というものがあります。この方法は、非常に簡便なので、雑誌の占いなどで、おなじみのものです。人によっては、この方法を軽く見る人もいますが、占星術において、太陽は最も重要な星であり、その人の性格については、これだけでもかなり予測することができると言われていますし、私も、そう考えています。

《星占いは、当たるのか》

 正直言って、「星は性格を表わす」ことはあっても、「星で運命は決まらない」のではないかと考えております。ですから、雑誌の「星占いによる運勢」欄は、ほとんど見ません。(実は、書いたことはありますが・・・書いてる本人が、信じていなかったりする。 (^^;;; )
 まあ、自分の人生を、星に握られてなるものか・・・というワガママがあるのかもしれませんね。


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