・ミステリー度 |
= ★★★(普通) |
・観光度 |
= ★★(マニア向け) |
・体力必要度 |
= ★★★(普通) |
・所要時間 |
= 約3時間 |
京都の東南に位置する稲荷山。
その西南にあたる地区は、昔から「深草-ふかくさ」と呼ばれている土地で、実は冥界に通じる土地でもあります。ここでは、その一部をご紹介します。
ルート一覧
1.京阪 深草駅
2.寶塔寺
3.七面大明神
4.深草霊園
5.石峰寺(五百羅漢)
6.ぬりこべ地蔵
7.稲荷山・南谷
8.命婦ノ瀧/呼聲大神/命婦大神
9.弘法ノ瀧/弘法大神
10.青木ノ瀧/青木大神
11.七面瀧/七面大天女
12.鳴瀧/鳴瀧大神
13.白菊ノ瀧/白菊大神
14.御剱ノ瀧/御剱大神
15.末廣ノ瀧/末廣大神
16.大岩大神
17.一ノ峰/上ノ社末廣大神
京阪深草駅は、普通電車しか止まりません。近くには龍谷大学の深草キャンパスや立命館高校/中学があって、学生の乗降客が比較的多いところです。
ここの改札(一箇所だけ)を出て、右(東)側に行くと、すぐに稲荷山が目に入ります。駅舎を出て、川沿いに右(n南)へ行き、橋のあるところを左(東、橋と反対方向)に行き、信号を渡って道なりに進み、JRの線路を横断してさらに進むと、寶塔寺の門前に出ます。
深草山(じんそうざん)と号し、日蓮宗に属する寺です。ちなみに、京都には、日蓮宗の寺院は少ないそうです。藤原基経が発願し、藤原時平が昌幸2年(899年)に「極楽寺(極楽寺)」が起こりと伝えられています。当初は真言宗系でしたが、徳治2年(1307年)に日蓮宗に改宗したということです。
寶塔寺という名前の由来は、日蓮の孫である日像(にちぞう)が京都に通じる7つの街道に建てた法華題目の石塔婆の一つを、寺院内に奉祀するようになったためということです。
また、寺の背後にある七面山には、大規模な墓地が広がり、その頂上付近には七福神の吉祥天を祭る七面大明神(七面宮)があります。
この寺は、現在改修中ですので、あまり気を感じることはありませんが、その背後の七面山は、かなりのパワースポットになっているようです。
寶塔寺の入口 寶塔寺の門。七面山へも、ここから行きます。 |
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寶塔寺の門の右側の像。「阿形像」だったかな。 「わらじ」がお供えされています。 |
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寶塔寺の門の左側の像。「吽形像」だったっけ。 結構、立派な像です。 |
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七面山の階段寶塔寺本堂の左側にある道を抜けていくと、七面山を登る長い階段が現れます。階段の左右には大規模な墓地が広がり、ちょっと不気味な雰囲気です。 |
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七面宮入口さらに階段を登っていくと、七面宮の鳥居が見えてきます。考えてみれば、神社にとっては「墓地」は穢れとなりますので、こういうのも一つの結界ということですね。 |
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七面大明神ここは、寶塔寺の鎮守社です。かなり立派な社殿ですが、いつも人がいないので、中を見たことはありません。ここに、祭られている七面大明神というのは、「吉祥天女」と言われており、日蓮と関連する話が伝えられているそうです。だから、ここは神社という雰囲気ではなく、お寺のような雰囲気がありますね。 |
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常富稲荷大明神七面大明神社の右手にある、小さな稲荷社です。この奥に進むと左手に小さなお瀧場があり、その手前の道をさらに奥に進むと、稲荷特有の石造りの小さな祠が並んでいて、ちょっと不気味です。さらに山の中に入ると、深草霊園へと続く下り道になります。この辺りは、自然の香りが残っているようで、面白い場所ですね。 |
京都でも有数の霊園(墓地)です。元々は、旧陸軍墓地であったということです。午後4時以降は、山の方からは行けません。
写真は、なし。 |
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百丈山(ひゃくじょうざん)と号し、正徳三年(1713年)に、黄檗(おうばく)宗の第六世、千呆禅師(せんがいぜんし)により建立された(1704〜1711年という説もあり)禅道場です。背後の七面山に広がる五百羅漢の石像は、寛政年間(1700年代後半)に画家である伊藤若沖(いとうじゃくちゅう)により下絵が描かれ、石工に彫らせたものです。
石峰寺の入口深草霊園を下り、南に少し行くと、石峰寺の入口に辿り着きます。木の看板の右にある階段を登っていくと、寺の門の前に出ます。 この写真の右が寶塔寺、左が深草霊園とぬりこべ地蔵への道となります。 |
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石峰寺の門中国風の赤っぽい門なので、この辺りでは珍しいかも。
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石峰寺の内部門を入ったところ。正面にあるのが本殿で、左手に五百羅漢見学の受付があります。五百羅漢は、本殿手前の道を右奥に行ったところです。 ここは庭のお手入れがされていなくて、いつも草ぼうぼうの状態。夏場は蚊にさされやすいので注意。 |
道標石峰寺から北に上がると、道の右側にこの道標が見えます。ぬりこべ地蔵は、もうすぐ先です。 |
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ぬりこべ地蔵小さな祠ですが、歯痛を治す地蔵として有名です。周囲は墓地が広がっているので、ちょっと不気味かも。 |
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ぬりこべ地蔵(正面)一人ずつしかお参りできないくらい、小さなところですが、結構、お参りする人がいます。「ぬりこべ」というのは、病気を封じ込めるという意味もあるようですね。 |
南谷分岐点の道標ぬりこべ地蔵から、少し道を戻り、先ほどの分岐点から、東(稲荷山・南谷)の方向へと進みます。 |
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南谷の道道なりに稲荷山の麓の細道をしばらく行くと、山の麓(道の左側)に稲荷山麓の社があるのが見えてきます。道脇には、小さな川もあります。 さらに進むと、舗装道路から砂利道になり、道脇にも鳥居が立つようになります。 |
さらに進むと、石畳の道となり、その先に命婦の瀧(呼聲大神)の入口が見えてきます。 右手に見える金網のフェンスは、立命館中学/高校のグラウンドです。 |
呼聲大神の入口結構、立派なところです。トイレもあって、休むにはいいところかも。 |
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命婦ノ瀧入口から中に入っていくと、瀧が現れます。瀧の横の道をさらに登っていくと、門を抜けて舗装道路に出ることができます。綺麗に手入れされているので、割と気持ちいい感じです。稲荷には割と珍しい雰囲気かも。 |
弘法ノ瀧の入口命婦ノ瀧を抜けてさらに進むと、入口が見えてきます。でも、弘法さんなのに、何で鳥居なんだろう? |
青木ノ瀧入口弘法ノ瀧をすぎ、山手の道を行くと、青木ノ瀧の前に出ます。中に入ると、正面には、天正不動明王があり、その左手に青木大神の社と瀧場があります。瀧はよく整備されており、雰囲気は悪くありません。 |
七面瀧、鳴瀧の入口青木ノ瀧の道をさらに上がると、舗装道路に出て、その道が狭くなって車が通れなくなったところの右手に、七面瀧入口の鳥居があります。ここの奥に、鳴瀧もあります。 ここの鳥居を入って、すぐに右に行くと七面瀧があります。 |
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七面大天女の社いつもは人がいないようです。ここの奥に七面瀧がありますが、瀧場は昼でも暗いので、ちょっと不気味。 |
鳴瀧大神七面社の鳥居に続く道をまっすぐ進むと、鳴瀧大神の前に出ます。その道の途中から谷へと降りると鳴瀧へと出ますが、かなり寂れた所なので、一人だとちょっと怖いかも。瀧場は、それなりに整備されてはいますが、他と比べると、寂れているようです。 |
白菊ノ瀧入口青木ノ瀧からの道をまっすぐに進み、七面瀧入口の鳥居の前を過ぎてすぐに、白菊ノ瀧の入口が見えます。入口を入ってすぐ左に、瀧場がありますが、普段は入れません。
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御剱ノ瀧入口白菊ノ瀧からすこし上がると、御剱ノ瀧の入口があります。階段を上がると、瀧場と御剱社が並んでいます。 |
末廣ノ瀧分岐点 御剱ノ瀧から、さらに上ると、分岐点があり、看板がかかっています。 |
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末廣ノ瀧分岐点の看板 分岐点から左に行き、末廣社の横を通り抜けて山を登ると、稲荷山山頂への近道となります。 |
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末廣社入口入口の鳥居をくぐると、社が左手にありますので、そこへと入ります。 |
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末廣大神と末廣ノ瀧かなり立派な社殿です。瀧場は、社の左にあります。売店もあって、一休みするには、いいところ。 元の道に戻って進むと、次第に山道となります。 |
大岩大神の入口末廣社からしばらく山道を登ると、大岩社の入口に辿り着きます。無人の社殿ですが、結構有名なところのようで、それなりに整備されています。 |
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大岩大神ご神体は、かなり大きな岩です。この辺りは、火山帯ではないので、かなり古い堆積岩ではないかと思います。ちなみに、深草の辺りは、昔は海だったようですね。 |
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大岩社の社幕ここの社紋は、ゼルダの伝説でおなじみの「トライフォース」と同じです。三つの正三角形を組み合わせたピラミッドの形は、何か特別な力があるんでしょうね。 |
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大岩社から少し登ると、ちょっとだけ下界への視界が開けたところに出ます。 |
大岩道標大岩社からさらに登ると、四辻に出ます。ここを直進しても右手に行っても、山科方面に出ることができます。今回は、ここを左へと行き、稲荷山山頂を目指します。
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末廣瀧と稲荷山頂の分岐点 道標からなだらかな山道をしばらく行くと、この鳥居のある場所に出ます。この写真だと、左から来て、手前に曲がり(右折)、本道に出るというコースになります。 |
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稲荷周回ルートとの分岐点一般の人が通る、稲荷周回ルートとの分岐点です。 この写真では、左上が御剣社や薬力社に通じ、右上が末廣瀧や大岩社、右下が一ノ峰/上ノ社へと通じる道となります。 |
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一ノ峰・上ノ社先程の分岐点から100mほど登ると、稲荷山山頂の、一ノ峰という場所に出ます。ここに祭られている稲荷上ノ社は、末廣大神です。 とりあえず、ここで南谷ルートは終わりです。適当なルートで、山を降りて下さい。 |
ということで、いかがでしたか?
肝心なところ、つまり「瀧」や「ご本尊」の写真は公開しておりません。興味があるなら、ぜひ実物を見て下さい。今回のルートは、稲荷山は伏見稲荷大社や千本鳥居だけではなく、こんなところもあるんだ・・・ということを知ってもらうには、結構面白いルートだと思います。割と危険性も少ないので、逸な人でも、それなりに楽しめるのではないかと。ただし、道に迷いやすいので、方向音痴の人には、ちとツラいかも。