何で、黄色に注意しないといけないのでしょうか?
それは、「ニセモノに注意しましょう」という意味だったりします。
黄色い石はそこそこ出回っていますが、きれいな石は要注意なのです。
黄色の石で有名なのは、トパーズで、その成分はAl2SiO4(F,OH)2。本来は無色透明の結晶ですが、色々な原因で黄・赤・青・褐色に着色しています。黄色が美しいのは、ブラジル産のインペリアル・トパーズ(成分はAl2SiO4(OH)2)で、すこし赤みを帯びた黄色をしています。
きれいな黄色のトパーズは、稀少価値が高いので、きれいでないトパーズを熱処理や放射線により着色したり、ニセモノが多く出回っているので、注意が必要です。要注意なのは、「シトリン・トパーズ」という名前で売られているもので、これは「シトリン(黄水晶)」そのものですので、トパーズとは別物です。これを簡単に見分けるには重さを比べるのが一番なのですが、普通はちょっと難しいですね。
ニセモノというわけではありませんが、古代には、ペリドットがトパーズと呼ばれ,現在のトパーズと混同されていました。ペリドットはトパーズと比べるとはるかに産出量が多いので、こういう混同というのも注意が必要です。
トパーズのニセモノとされるシトリンですが、本当にきれいな天然のシトリンは産出量が少ないので、割と高価な石なのでした。
このため他の色の水晶に熱処理や放射線処理で着色したものが多く、アメシストを熱処理により黄変させたものも有名ですが、もちろん工場で合成されたシトリンも出現しているのでした。
本物と処理品を鑑定するのも難しいので、「シトリンを見たら処理品と思え!」というのが基本ですね。
パイライトの成分は、硫化鉄(FeS2)です。ちなみにラピスラズリの中にちりばめられている金色の粒は、これですが、一般的に岩石中に見られる金色の粒は、この黄鉄鉱であることが多く、昔から「金」と間違われることも多いのでした。
ちなみに、川や雨あがりの水たまりで金色に光っている砂のようなものは「黒雲母」であることが多く、昔から「砂金」と間違われることも多いのでした。
というわけで、「岩石中に金の粒を見たら黄鉄鉱と思え!」というのが基本なのでした。