紫という色は、昔から高貴な色とされてきました。それは「数が少ない」から貴重であるというのが原因です。
とはいえ、結構、紫色となる石はあるので、探してみると面白いですね。フローライト(蛍石)とかトルマリン(電気石)なんかは、結構きれいな紫色になることがあります。
でも、紫色の石って、現代では、あんまり活躍していないのでした。なぜなら、紫色の多くは「ごく微量の不純物」であることが多いため、利用できないというのがその理由ですね。
アメシストの成分は、水晶と同じ二酸化ケイ素(SiO2)で、その中に微量の鉄イオン(Fe3+)が混入し、さらに何かの作用が加わると、紫に発色します。
二酸化ケイ素も鉄も、地上ではありふれた元素なので、紫水晶はもっと多く産出してもよさそうなのに、そうならないのは、特別な「何か」が必要なんですよね。その何かというのは、天然にある微量の放射線ではないかと言われています。でも、微量なので、人体に影響することはなさそうです。
アメシストは、宝飾用以外の利用は、ないようですね。
近頃、ラベンダー(青紫)色のヒスイが、一部で流行っています。これはヒスイ輝石(NaAlSi2O6)に、チタンが入って着色したもので、これは、なかなか綺麗ですが、かなり高価なのが残念。
中には、クロムの緑と紫とが混じったものもあります。(右の写真)
これも、宝飾用以外での利用は、なさそうですね。