ライダーウェイト・タロット解説

訳者解説


 本文は長文で難しいと思う人向けに、シャドゥ的見解を、Q&A形式で簡単に解説しておきます。
 なお、内容については一切保証しませんので、取り扱いには、くれぐれもご注意ください。(笑) 


著者のウェイト氏について

 Q.ウェイト氏って、何者なのですか?

A.アメリカ生まれのイギリス育ちで、私とは比べものにならないほどの超オカルトヲタクで、サブカルチャー分野の作家として生計を立てていたという感じですかね。

 Q.ウェイト氏って、世界的な有名人なのですか?

A.ウェイト氏は、オカルトや神秘主義などの、研究者および作家であるとされており、その方面の著作や翻訳書が英語版で数多く発行されていますが、現代では、ライダーウェイト版タロットの作者として、主に英語圏の国で、よく知られています。

 Q.ウェイト氏って、日本では有名人なのですか?

A.一部の占い好きや魔術ヲタクにのみ、主にライダーウェイト版タロットの作者として知られています。ウェイト氏の他の著書は、かなりマニアックなため、翻訳されて紹介される機会が無いようです。

 Q.ウェイト氏って、魔術師だったのですか?

A.魔術名を持っており、ゴールデン・ドーンや他の魔術団にも参加していますので、魔術師として活動しています。

 Q.ウェイト氏って、占い師だったのですか?

A.そういう記録は、残念ながら知りません。

 Q.ウェイト氏は、なぜこの本を書いたのでしょうか?

A.おそらく、書きたくなったから、ということではないかと思うのですが、その原因はいくつか考えられます。
  (1) 自分の趣味に合う画家(パメラ嬢)に出会えたから。
  (2) 直前に、パピュス氏のタロットに関する著作(『ボヘミアンのタロット』)の翻訳を監修し、それに刺激された。
  (3) 英語圏(イギリス・アメリカ)では、まだ本格的にタロットが流行していなかったので、有名になる好機だと考えた。
  (4) 自分で使うものは、自分で作るという、DIY派だったから。
  (5) かわいいパメラ嬢と、ちょっと話をしてみたかったから。

カード制作者のパメラ嬢について

 Q.パメラ嬢って、何者なのですか?

A.イギリスで生まれ、主にイギリスで育った、音楽好きで神秘好きで絵を描くのが好きで物語を書くのが好きな、ちょっと変わった女の子で、主にアート分野の芸術家として生計を立てていたという感じですかね。

 Q.パメラ嬢って、変な人だったのですか?

A.パメラ嬢は、「Pixie/妖精ちゃん」という愛称で呼ばれていましたので、やっぱりちょっと変わった女の子だったようです。

 Q.パメラ嬢って、かわいい人だったのですか?

A.美人ということではありませんが、ちょっと東洋人っぽい感じもあって、割と可愛がられていたようです。

 Q.パメラ嬢のスリーサイズを教えてください!

A.わかりませんが、残された絵や写真からは、割と普通な体型のような感じです。

占いとの関係について

 Q.ウェイト氏は、占いの読者向けに、この「The Pictorial Key to the Tarot」を書いたのでしょうか?

A.YesでありNoでもある、という感じですかね。とりあえず最初は「タロット占い」から興味を持ってもらって、そこから本格的に「タロット」を学んで神秘主義の世界にも興味を持ってほしい、といった感じもありますが、本音の部分では、どうせ読んでも重要なところは分からないんだろうけど、とりあえず売り上げに貢献してくれれば、それでいいよ、といった感じでもありますね。

 Q.ウェイト氏は、占いに興味があって、この「The Pictorial Key to the Tarot」を書いたのでしょうか?

A.これは、明確にNoです。ウェイト氏は、占いは低俗であり、神秘主義とは次元の違うものだと考えているようです。そして、とりあえず本を売るためのネタとして、占いを利用しているような感じですね。同人で、趣味でエロに走るか、売るためにエロに走るか、という違いみたいなものです。とはいえ、売るためには、何らかの話題性とか大衆に媚びる姿勢というのは、必要になりますよね。

 Q.ライダーウェイト版タロットは、占いの初心者向きなのでしょうか?

A.YesでありNoでもある、という感じですかね。ライダーウェイト版の大アルカナは、そもそも占い向けにデザインされたものではありません。一方、小アルカナは、明確に占い向けにデザインされたものであると言えます。このように、木に竹を接いだ設計であるため、本当は初心者には、その本質を理解しずらいカードではあります。
 ただし、大アルカナというものは、本質的に初心者には理解不能であり、どのカードを選んでも、実は大した差はありませんので、「小アルカナが絵札となっているライダーウェイト版は、初心者にとって親切設計である」というのは、あながち間違いではありません。

 Q.ライダーウェイト版タロットは、なぜ占いの初心者向きと言われているのでしょうか?

A.ライダーウェイト版は、基本的には従来の8bitマルセイユ版のアーキテクチャデザインを拡張した64bit上位互換となっていますので、従来のMS-DOSコマンドの解釈を流用することが可能となっています。このため、小アルカナの絵札化のメリットもあり、他のタロットカードからのソフトの乗り換えが比較的簡単であったということですね。
 あと、従来のタロットは、いまいち確定した理論が無く、色々な人が色々とわけわからない勝手な解釈をしているので、理解困難であるというのもあります。結果的に、割と理論的にデザインされたライダーウェイト版の方がマシなので、これを勧めることが多いです。

 Q.ライダーウェイト版タロットより、占いに向いているカードはありますか?

A.好みの問題ですので、何でもいいです。大アルカナの解釈が難しいのであれば、普通のトランプカード、もしくは占い用にデザインされた専用カードを、お勧めします。

 Q.ライダーウェイト版タロットには、神秘主義が隠されていると聞きましたが、神秘主義って何ですか?

A.普通の人には理解できないし、知る必要も無いことですので、どうぞお帰り下さい。

 Q.ライダーウェイト版タロットをつかいこなすには、どうすればいいのですか?

A.とりあえず、色々と勉強しましょう。そのうち、何かが見えてくればいいかと。

初心者です! ライダーウェイト版タロットで占いをしたいのですが・・・

 Q.ライダーウェイト版タロットの大アルカナのカードの意味を教えてください。

A.教えることは出来ません。自分で考えて見つけてください。

 Q.ライダーウェイト版タロットの小アルカナのカードの意味を教えてください。

A.本文のPartV§2にありますので、読んでください。

 Q.本文のPartV§3には、大アルカナの意味が書いてありますよ。

A.これは、従来のタロットの大アルカナの意味をまとめたものであり、ライダーウェイト版の大アルカナの意味ではありません。

 Q.本文のPartV§3の意味を使って、ライダーウェイト版タロットで占いをしてもいいですか。

A.従来のタロットと同じレベルで、ライダーウェイト版を使いたいのであれば、それでも構いません。

 Q.ライダーウェイト版タロットの大アルカナは、どういうふうに解釈すればいいのですか?

A.公式的に、こうすればいいというものはありません。自分で考えて見つけてください。

 Q.大アルカナのカードの意味がわからないので、占いが出来ません

A.占いが出来ないことを、カードのせいにしてはいけません。自分で考えて見つけてください。

 Q.他の解説本には、ライダーウェイト版の大アルカナの意味が書いていますので、これで解釈してみます。どうもありがとうございました。

A.はい、さようなら。

ライダーウェイト版タロットで実践的占いをしたいのですが

 Q.大アルカナには、公式の意味がありませんが、どういうふうにリーディングしていくのですか?

A.基本的には、カッコ良く言うと「インスピレーション(神託・啓示)」なのですが、それなりに勉強をしていないと、ロクな解釈になりませんので、最初のうちは「リアル世界での意味」として解釈しない方がいいと思います。

 Q.大アルカナは、「リアル世界の意味」を持たないのですか?

A.基本的には、「神世界の意味」のカードですので、リアル世界とは直接の関係はありません。間接的な影響を与えるだけです。

 Q.ライダーウェイト版は、正位置・逆位置の解釈はあるのですか?

A.小アルカナは正位置・逆位置の解釈がありますので、大アルカナも正位置・逆位置の解釈があると考えていいと思います。

 Q.大アルカナの逆位置は、どういうふうにリーディングするのですか?

A.大アルカナは、このリアル世界に、何がしかの「影響」を与えます。個人的には、それが良い方向に向かうのが「正位置」であり、悪い方向に向かうのが「逆位置」と解釈しています。

 Q.「恋人たち」のカードが出ました! 結婚できますか?

A.お帰りください。

魔術との関係について

 Q.ライダーウェイト版タロットと、占星術/錬金術とは対応関係がありますか?

A.ライダーウェイト版は、占星術/錬金術との対応は明記されていませんが、カードデザインや8と11のカード番号の入れ替えから推察すると、以下のゴールデン・ドーンの対応とほぼ同じと考えられます。
タロットカード 占星術/錬金術の象徴
0:愚者 錬金術元素の空気
1:魔術師 水星
2:高等女司祭
3:女帝 金星
4:皇帝 白羊宮(おひつじ座)、守護星=火星
5:法皇 金牛宮(おうし座)、守護星=金星
6:恋人たち 双児宮(ふたご座)、守護星=水星
7:戦車 巨蟹宮(かに座)、守護星=月
8:力 獅子宮(しし座)、守護星=太陽
9:隠者 処女宮(おとめ座)、守護星=水星
10:運命の輪 木星
11:正義 天秤宮(てんびん座)、守護星=金星
12:吊られた男 錬金術元素の水
13:死 天蠍宮(さそり座)、守護星=火星(冥王星)
14:節制 人馬宮(いて座)、守護星=木星
15:悪魔 磨羯宮(やぎ座)、守護星=土星
16:塔 火星
17:星 宝瓶宮(みずがめ座)、守護星=土星(天王星)
18:月 双魚宮(うお座)、守護星=木星(海王星)
19:太陽 太陽
20:審判 錬金術元素の火
21:世界 土星
小アルカナ 錬金術元素の地

 Q.ライダーウェイト版タロットと、ヘプライ文字とは対応関係がありますか?

A.ライダーウェイト版は、ヘブライ文字との対応は明記されていませんし、本文中には、ヘブライ文字との対応を否定的に考えている記述もあります。参考までに、従来の対応関係を挙げておきます。
ヘブライ文字(意味) レヴィ説(*1)
パピュス説(*2)
ゴールデン・ドーン説(*3)
アレフ(牛) 1:魔術師 0:愚者
 ベス(家) 2:高等女司祭 1:魔術師
 ギメル(駱駝) 3:女帝 2:高等女司祭
 ダレス(扉) 4:皇帝 3:女帝
 ヘー(窓) 5:法皇 4:皇帝
 ヴァウ(釘) 6:恋人たち 5:法皇
 ザイン(剣) 7:戦車 6:恋人たち
 ヘス(柵) 8:正義 7:戦車
 テス(蛇) 9:隠者 8:力
 ヨッド(手) 10:運命の輪 9:隠者
 カフ(手首) 11:力 10:運命の輪
 ラメド(牛突き棒) 12:吊られた男 11:正義
 メム(水) 13:死 12:吊られた男
 ヌン(魚) 14:節制 13:死
 サメク(支柱) 15:悪魔 14:節制
 アイン(目) 16:塔 15:悪魔
 ペー(口) 17:星 16:塔
 ツァディ(釣針) 18:月 17:星
 コフ(後頭部) 19:太陽 18:月
 レシュ(頭) 20:審判 19:太陽
 シン(歯) 0:愚者 20:審判
 タウ(十字) 21:世界 21:世界
*1: 『高等魔術の教理と祭儀』エリファス・レヴィ著
*2: 『ボヘミアンのタロット』パピュス著
*3: 『黄金の夜明け』イスラエル・リガルディー著
ライダーウェイト版は、基本的にはゴールデン・ドーンに準拠していると考えられているようです。なお、ライダーウェイト版の「0:愚者」には、シンのヘブライ文字のようなものが描かれているという噂話みたいなものがありますので、もしかすると、ウェイト氏はレヴィ説を完全には捨てていなかったのかもしれません。


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0:愚者」のシンの文字?

 Q.タロットと占星術/錬金術との対応を知っていると、いいことがありますか?

A.占いや瞑想の時には、イメージを膨らますためのネタとして利用できます。

 Q.タロットとヘブライ文字との対応を知っていると、いいことがありますか?

A.どう利用するのか分かりませんので、いいことは無かったです。

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