ライダーウェイト・タロット解説

King of Wands / 棒の王



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The physical and emotional nature to which this card is attributed is dark, ardent, lithe, animated, impassioned, noble.
このカードに帰せられている物質的および感情的な特徴としては、ブルネット、情熱的、しなやかさ、活気に満ちた、熱情的な、そして高潔で堂々たる姿である。

 「dark/ブルネット」というのは、暗いという意味もありますが、ここではブルネット(茶褐色の髪)、または、皮膚が浅黒い(褐色あるいは小麦色)の人のことを指します。 外見上も内面も、燃える男という感じですね。

The King uplifts a flowering wand, and wears, like his three correspondences in the remaining suits, what is called a cap of maintenance beneath his crown.
「王」は花の咲く棒を持ち上げ、残りの3つのスートに対応するように、彼の王冠の下には式帽と呼ばれるものを付けています。

 花の咲く棒というのは、キリストの父母である聖ヨセフと聖マリアの結婚のエピソードにつながります。(聖書外典)

 「マリアは12才になるまで寺院に住んでいた。彼女の未来について大祭司は主に祈った。天使は彼に、寡夫に棒を持って来させ、それを祭壇に置くように告げた。ヨセフも、ダビデの一族であったが、自分のような高齢の身でうら若い乙女を妻にするのは穏当でないと思った。そこで、他の者がみんな杖を祭壇に持っていったのに、彼だけは、杖を隠しておいた。ところが、あの声が告げたようなしるしがどの枝にも現れなかったので、大祭司は、あらためて主にお伺いをたてた。主のお答えがあった。「この乙女にふさわしい者だけが、枝を捧げなかった」と。事が露見したヨセフは、やむなく枝を祭壇に捧げた。すると、たちまち枝に花が開き天から鳩が降りてきて、枝の先にとまった。ヨセフがマリアの婚約者になるのだということが、一同に示された。ヨセフは大祭司に, 彼には既に息子がいるのと、彼が余りにも年寄りであり、あまりに若い少女と結婚することはイスラエルのもの笑いの種になるということを告げた。これが起こるべきであることであり、神の意志だったことを大司祭は告げた。ヨセフはそれから彼女を受け入れ、ふたりの間に婚約が取り交わされた。」

 つまり、この「棒の王」は、聖ヨセフの姿を表しているということですね。
 ということは、これに対応する聖マリアは、「杯の女王」ということになりそうです。
 ちなみに、イエスは、より神に近い存在ですので、大アルカナのカードに配属されるはずですね。


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 ちなみに、このカードの絵の頭の茶色の部分は、頭髪ではなくて、式帽の色みたいですね。
 式帽は、祭儀用具なので、本来は杯に対応するはずです。
 で、何が残りの3つのスートに対応しているのかは、よくわかりません。

He connects with the symbol of the lion, which is emblazoned on the back of his throne.
彼は、ライオンの象徴と関係しており、それは彼の王座の背に紋章として飾られている。

 獅子は火の星座に属しますので、棒とは同じ属性です。
 なお、王座の背には、もう一つ紋章として、「輪になったサラマンダー(火トカゲ)」が描かれていますが、これも火の属性を持ちます。

Divinatory Meanings: Dark man, friendly, countryman, generally married, honest and conscientious.
占いの意味(正位置):ブルネット(もしくは浅黒い肌)の男、親しみのある、地方人、一般には既婚、正直で良心的。

 地方人というのは、垢抜けていない地方出身者、もしくは田舎に住む人という感じです。
 温かみのある、カッコいいおじさん、という感じの人物ですね。

The card always signifies honesty, and may mean news concerning an unexpected heritage to fall in before very long.
このカードは常に正直を示している。かなり昔にあった予期しない遺産に関する知らせを意味するかもしれない。

 正直者と遺産の関係は・・・・。
 よーわかりません。何かの童話の話みたい。

Reversed: Good, but severe; austere, yet tolerant.
逆位置:良いけれど厳しい。厳格ではあるが、それでも寛大さはある。

 人間的には、良い人ではあるが、付き合いにくい頑固親父。
 状況的には、きちんと困難に立ち向かえば成功する、って感じですね。


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