シャドウの部屋7

リベンジ!!京都発琵琶湖一周チャリツアー


 琵琶湖一周200Km。(←サイクリングロードは、実際には、180Kmあまりらしい)
 それは、チャリ乗りの、いわゆるひとつの勲章・・・いやいや単なるデフォのイベントなのだ。
 というか、琵琶湖って、一周したことがなかったので、興味津々だったりするのだ。

 ということで、去年(2004年)の秋、思い付きだけで、いきなり挑戦。
 長距離ツアーの経験もなく、ペース配分もお構いなしでロードバイク並みに飛ばしたところ、草津辺りから吹き始めた琵琶湖の強風に行く手を阻まれ、膝の関節を故障し、ペダルが思うようにこげなくなり、結局、近江今津でリタイア。JRで帰宅したのだ。
 一週間後に近江今津からの残り行程にチャレンジしたところ、またもやオーバーペースとなり、逢坂山に入ったとたんに、お尻の筋肉が痙攣をおこし、足を引きずりながら京都に帰還したのであった。
 人生で初めての挫折と屈辱・・・、ということはないけど、負けず嫌いな性格なので、リベンジを心に誓ったのであった。

 敗因は、はっきりしている。単なる、飛ばしすぎだ。
 年齢のこともあるけど、普段は肉体労働をやっていないので、無茶すれば体がもたないことは、考えればわかることであるが、未だに「坂道を見ると駆け上がりたくなる」とか「風に向かって無理して飛ばす」というのは、シャドゥの行動パターンの一つでもある。
 これでは、いけない。
 ということで、半年間、反省したのであった。(←嘘)

 まず、行きの京都から大津に至る峠越え。ここは膝を使いすぎないように、とことんセーブして走る。
 そして、琵琶湖の風には逆らわない。無理すれば、膝に負担がかかり、故障してしまう。
 琵琶湖周回の設定速度も、20Kmから15Kmに抑える。
 そして、膝に無理がかからないように、疲れたら休みを取る。
 前半は抑え気味に走り、後半まで体力を持たせる。
 当たり前のことかもしれないけど、そういうことなのだ。
 とりあえず、2005年4月29日がリベンジの日に決まった。

 当日の朝、起きると体がダルかった。ちょっと風邪気味なんだよな〜。昨日の夜は、微熱気味だったし。
 朝になって体温は下がっていたけど、体調はイマイチ。風邪気味だと、心臓の調子もイマイチなんだよね。動悸がするのだ。
 結局、心臓の動悸には、この日はずっと悩まされたのであった。

 まあ、いっか。何とかなるだろう。しんどくなったら、リタイアすればいいしね。
 ということで、予定の午前6時をすこし過ぎてから、ドラと一緒に、チャリツアーに出発。
 天候は晴。今日も暑くなりそうだ。
 今回も、他の参加者はいない。というか、ヤメといた方が無難だと思ったりする。
 ちなみに、金持ちのドラは、新しく買ったロードバイクでの参加なのだ。
 シャドゥは、いつもの通勤用のクロスバイク。それでも、4万円もするオリジナル仕様車なんだけどね。
 ただし、服装も、いつもの通勤用(つまり普段着)だったりするのだ。

 河原町五条の「なか卯」で、親子丼とみそ汁の朝食を取る。
 チャリ乗りは、さほどハードワークではないけど、それでも結構お腹が空くので、しっかりと食べておくのだ。
 店の前を通過し、三条通りを東に走る。
 東山と逢坂山を、抑え気味のペースでトロトロと順調に越え、浜大津に到着。
 体調は、思ったよりも大丈夫な様子。風邪のせいで、肺と喉と心臓の調子がイマイチだけどね。

 琵琶湖周回のサイクリングロードに入り、琵琶湖南端の瀬田川大橋を目指す。追い風なので順調に飛ばす。
 そのまま琵琶湖大橋東詰あたりまで、比較的順調だったのだ。これは、前回もそうだったけどね。

 でも、徐々に向かい風がキツくなり、スピードが落ちてくる。膝への負担もあるので、休憩も増やさないといけない。
 予定よりも、少しずつ遅れだしてきた。でも、焦りは禁物。前回は、ここで焦って故障してしまったんだよね。

 マイペースで走っていると、長命寺橋のところで、大きな交通事故があって、自動車は通行止めになっていた。
 チャリの通行には問題なかったので、事故現場を見物しながら通過。かなり大きな事故だったのだ。

 彦根を過ぎ、午後1時前に、昼食予定の近江母の郷という道の駅に到着。
 注文したのは、ミックスフライ定食。チャリツアーの最中は、思ったほどには食べなくてもいいいのだ。

 それにしても、強い向かい風のせいで、なかなかペースは上がらない。
 雲の量も、徐々に増えてくる。
 風が強いと、前傾姿勢となるので、腕と腰に負担がかかって、疲れも出てくる。

 長浜を過ぎ、湖北みずどりステーションという道の駅に到着。やっと全行程の半分なのだ。
 ここで、ドラは、ペースが遅いので、先に行くという。ま、いっか。
 風が強い時は、ドロップハンドルのロードバイクは圧倒的に有利だもんな。
 こっちは、フラットハンドルだし、今回は完走第一のマイペースだしね。
 ちなみに、ドラは、前回はママチャリで完走している。スピードと体力では、既に負けているのだった。

 ということで、のんびり1人で北上する。風だけでなく、なぜか雨も降ってくる・・・・。まあ、暑さよりはマシだけどね。
 琵琶湖沿岸から外れ、上り坂も増えてくる。
 体力的な問題は特には感じなかったけど、結構疲れが出てくるのだ。ちと不安になったりする。

 琵琶湖一周の最大の難所、というか最も急坂である「岩熊トンネル」の前の坂にかかる。
 一目見て、「これは無理かな」と思うが、とりあえずジグザグ登りで、チャレンジしてみる。
 途中まで順調であったが、後ろから車がキタ〜〜〜〜!!
 「クソー」と思ったけど、あとは意地だけで、傾斜角30度はあろうかという急坂を、一気に駆け上がる。
 膝と足が一瞬で死んだ・・・・。その後、3分間は、力が出なかったのだ。
 でも、そこを登り切ると、あとは長くて急な下り坂が続く。ほっと一息である。
 とりあえず、チャリを押して歩くという屈辱は、避けられたのだった。

 その後は、向かい風になったり追い風になったりしたけど、比較的順調に進む。
 風の抵抗が少なくなったのと、後半戦に入った安堵感で、休憩もさほど必要ない。

 前回リタイアした近江今津を過ぎ、新旭風車村という道の駅に到着。
 ちょっと疲れてたので、喫茶店にてケーキセットを注文。しばしのティータイムなのだ。
 でも、男1人、それもボロボロの状態で喫茶に入るのは、ちょっと変だったかも。

 トコトコ走って、白鬚神社に到着。
 前回は、本殿の参拝だけだったので、今回は山の上にある岩戸社に参拝してみる。
 短い階段ではあるけど、まだまだ体力と膝の余力は残っていた。
 大鳥居を撮影しようとしたところで、突然横から「シャドゥさん」の声が。
 声の主は、からはしさんであった。話を聞くと、近江舞子から高島の駅まで歩いているという。
 徒歩で琵琶湖一周を目指すのは、それなりにすごいな〜、と思うのであった。


夕暮れの琵琶湖に立つ、白鬚神社の大鳥居
かっこいいのだ。

 夕暮れの中、マイペースで進行。
 志賀駅辺りで暗くなり、ライトを点灯。リムドライブのブロックダイナモなので、さほど負荷にはならない。
 夕方になり、虫が増えて、顔に当たってくる。ゴーグルを忘れたので、やばいかな・・・と思っていたら、やっぱり目を直撃。
 とっても痛いのだ。

 虫が目に入ったまま、午後8時前に、琵琶湖大橋西詰に到着。
 マクドで夕食。ちょっとお腹が空いたので、ダブルチーズバーガーセットとホットアップルパイとバニラアイスを注文。
 長距離ツアーでは、エネルギー切れは禁物だもんね。
 で、トイレの鏡の前で、目の中にある虫を除去。やれやれなのだ。

 夜の国道を走るのは、それなりに怖い。湖西のサイクリングロードは、整備されていない所も多く、国道を走ることもあるので、夜の湖西は、あまりお勧めではないのは確かだよね。

 ということで、午後9時前に、浜大津に無事到着。琵琶湖一周は、無事達成。
 体力はまだまだ残っているし、膝の調子も今のところ問題ない。
 さて、いよいよ最後の関門に挑戦なのだ。

 ギアを軽めにして、最初はゆっくりと大津の坂を登る。特に問題なし。でも焦りは禁物。
 大した苦労もなく、トロトロと逢坂山の峠の頂上へ。これならきっと大丈夫だ。
 そのまま休憩なしで、東山(九条山)の峠へと挑戦。これが本当に最後となる上り坂なのだ。
 徐々にベースを上げて、普段と同じ速度で一気に登る。全然平気だ。
 なんだ、心配することなかったじゃん・・・。

 九条山の坂の頂上を過ぎると、後は店まで下り坂が続く。ここまで来れば、もう後は何の心配もいらない。
 店でちょっとだけ休憩し、自宅に帰った。自宅到着は、午後10時半すぎ。これにてツアーは終了なのだ。

 ということで、16時間半の日帰りツアーは、大した盛り上がりもなく、あっけなく成功したのであった。
 全行程は、220Km。休憩時間も含めた平均時速は13.3Km。
 まあ、ロードでないバイクなので、こんなもんかな〜。でも、ちょっと遅いかな。あちこちで休みすぎたかも。(^^;;
 ちなみに、ドラは、午後8時に帰ってきたとのこと。
 さすがに、ドラの速度についていくのは無理っぽいのだ。

 次の日は、特に筋肉痛というものはなかったけど、風邪気味のせいで、ちょっと体がダルい感じがした。
 でも、風邪気味で走ったのは、無茶な走りをしないという意味では正解だったのかもしれないなぁ、と。←無茶な野郎だ

 ちなみに、2005年の秋は、京都発宇治経由の琵琶湖一周チャリツアー、全行程270Kmを日帰り走破。
 その時、ドラは、奥琵琶湖の峠道オプション付きで、全行程280Kmを完走したのであった。

 無謀な挑戦は、まだまだ続くのであった・・・。


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