ホロスコープとは、ある時点での太陽・月・惑星・黄道12宮などの配置を、図に示したものであり、この図を解釈することが、占星術の基本となります。
ここでは、ホロスコープの基本原理について、その概略を説明します。
とりあえず、ホロスコープの作り方について、簡単に説明しておきます。
1.生年月日時刻を基に、天体位置(黄経値と赤緯値)を計算する。
これは、天文学での計算方法を利用します。計算理論を詳しく知りたい方は、占星術ではなく、天文学の本を参考にして下さい。
ちなみに、赤緯値は、アスペクトのパラレルを考慮しない場合は、計算する必要はありません。
2.生年月日時刻と出生地を基に、ハウス位置を計算する。
このハウスという概念は、占星術独自のものであり、天文学の本には載っておりません。ちなみに、現代においては、17世紀に発明された「プラシーダス」と呼ばれるハウス計算方法が主流になっていますが、その理論をここで説明するのは面倒くさいし、そう簡単に理解できるものでもありませんので、もし興味のある方は、直接、店まで聞きに来てください。シャドゥが図を書きながら説明してあげます。(ただし、ある程度の天文計算の基礎知識がある方に限定させて頂きます。)
そのうち、ヒマになったら、説明文をUPするかもしれませんね。(^^;
3.上記の計算結果を、ホロスコープ図に書く。
ホロスコープの図の書き方についても、色々な方法がありますので、占星術の適当な本を参考にして下さい。要は、どのような図の書き方であっても、それに含まれる内容は変わらないので、自分にとって一番見やすい書き方をすれば良いのです。
ちなみに、ミステリーアートでは、独自の書き方をしています。
4.得られた図を、解釈する。
ここでは、具体的な解釈については述べません。
なお、解釈に参考となる情報を、以下に述べておきますので、占う際の参考にして下さい。
占星術では、星座として、古代バビロニアが発祥の「黄道12宮」を使用します。これは、実際に星空(天球)にある星座というよりも、黄道(天球上の太陽の通り道)を、春分点を原点として12分割した、仮想的な星座です。天文学的に言うと、「地心黄道座標系の黄経値」で、以下の星座の領域が決まります。
黄経値(以上〜 未満) |
宮の名称 |
一般名(星座名) |
|
1 |
0゚〜 30゚ |
白羊宮(はくようきゅう) |
おひつじ座 |
2 |
30゚〜 60゚ |
金牛宮(きんぎゅうきゅう) |
おうし座 |
3 |
60゚〜 90゚ |
双児宮(そうじきゅう) |
ふたご座 |
4 |
90゚〜120゚ |
巨蟹宮(きょかいきゅう) |
かに座 |
5 |
120゚〜150゚ |
獅子宮(ししきゅう) |
しし座 |
6 |
150゚〜180゚ |
処女宮(しょじょきゅう) |
おとめ座 |
7 |
180゚〜210゚ |
天秤宮(てんびんきゅう) |
てんびん座 |
8 |
210゚〜240゚ |
天蠍宮(てんかつきゅう) |
さそり座 |
9 |
240゚〜270゚ |
人馬宮(じんばきゅう) |
いて座 |
10 |
270゚〜300゚ |
磨羯宮(まかつきゅう) |
やぎ座 |
11 |
300゚〜330゚ |
宝瓶宮(ほうへいきゅう) |
みずがめ座 |
12 |
330゚〜360゚ |
双魚宮(そうぎょきゅう) |
うお座 |
この12の星座の分類方法の基本として、以下の3つがあります。
(1) 2区分(性別)
・男性宮:男性的、積極的な気質
・女性宮:女性的、消極的な気質
(2) 3区分(品質)
・活動宮:行動的、物事の始まり
・不動宮:静的、精神的、物事の成熟
・柔軟宮:受動的、物事の変化
(3) 4区分(元素)
・火の宮:情熱的
・地の宮:現実的
・風の宮:理性的 (「風」は、元素としては「空気」の属性を持ちます)
・水の宮:感情的ちなみに、この4区分の元素は、以下の性質に分類されます。
・火 :熱にして乾
・地 :冷にして乾
・風(空気):熱にして湿
・水 :冷にして湿なお、これらの区分は、古代ギリシアに起源を持つものです。古代ギリシアの哲学者であるアナクシメネスの説によれば、
「万物は空気から生じる。人間の魂は空気であり、それと同様に全宇宙は空気に満ちている。空気が濃くなると風や雲が生じ、水になる。水は濃縮化すると大地や石になる。また、空気が薄くなると火になる。薄い空気は熱く、濃い空気は冷たい。」
ということです。(この説では、「風」と「空気」は区別されているようですが、この説による「空気」は、「万物の根元」という意味であり、元素としての「空気」とは別のものと考えることも出来ます。)
とりあえず、上記の分類を、各星座に割り当てると、以下のようになります。
|
|
|
|
|
1 |
白羊宮 |
男性 |
活動 |
火(熱にして乾) |
2 |
金牛宮 |
女性 |
不動 |
地(冷にして乾) |
3 |
双児宮 |
男性 |
柔軟 |
風(熱にして湿) |
4 |
巨蟹宮 |
女性 |
活動 |
水(冷にして湿) |
5 |
獅子宮 |
男性 |
不動 |
火(熱にして乾) |
6 |
処女宮 |
女性 |
柔軟 |
地(冷にして乾) |
7 |
天秤宮 |
男性 |
活動 |
風(熱にして湿) |
8 |
天蠍宮 |
女性 |
不動 |
水(冷にして湿) |
9 |
人馬宮 |
男性 |
柔軟 |
火(熱にして乾) |
10 |
磨羯宮 |
女性 |
活動 |
地(冷にして乾) |
11 |
宝瓶宮 |
男性 |
不動 |
風(熱にして湿) |
12 |
双魚宮 |
女性 |
柔軟 |
水(冷にして湿) |
星座の意味の概要について、次に示します。
|
|
|
1 |
白羊宮 |
冒険的、情熱的、積極的、衝動的、自由奔放 |
2 |
金牛宮 |
執着的、実務的、現実的、受動的、強情頑固、温厚 |
3 |
双児宮 |
知性的、言語的、行動的、利己的、強い好奇心 |
4 |
巨蟹宮 |
保護的、感情的、家庭的、閉鎖的、母性愛 |
5 |
獅子宮 |
権力的、情熱的、野心的、支配的、努力家 |
6 |
処女宮 |
現実的、完全主義、知性的、批判的、繊細 |
7 |
天秤宮 |
調和的、社交的、平和的、美的感覚、優柔不断 |
8 |
天蠍宮 |
探求的、秘密的、情動的、独断的、強い意志、復讐 |
9 |
人馬宮 |
直情的、楽天的、理性的、理想的、直感的、自由 |
10 |
磨羯宮 |
管理的、組織的、現実的、保守的、責任感、責任 |
11 |
宝瓶宮 |
革新的、知性的、独立的、人道主義、誠実、友情 |
12 |
双魚宮 |
情緒的、同情的、自己犠牲的、感傷的、二重人格 |
占星術では、基本天体として、8惑星と太陽、月の10天体を使用します。それ以外の疑似天体や小惑星を使用する場合もあります。
以下に、天体の占星術的意味を示します。
|
|
|
1 |
太陽 |
生命、活力、本人、男性、父、権威、支配 |
2 |
月 |
感性、感情、内面、女性、母、変化、受容 |
3 |
水星 |
知性、鋭敏、雄弁、交流、順応、判断 |
4 |
金星 |
美、優雅、魅力、愛情、芸術、所有 |
5 |
火星 |
精力、勇気、活動、攻撃、情熱、災難 |
6 |
木星 |
成功、寛大、高貴、荘厳、膨張、発展 |
7 |
土星 |
堅実、忍耐、悲観、自制、制約、試練 |
8 |
天王星 |
独創、飛躍、自由、友愛、個性、変化 |
9 |
海王星 |
神秘、曖昧、幻想、霊感、流動、自己犠牲 |
10 |
冥王星 |
変革、啓示、死、再生、破局、動乱 |
以下に、天体の照応関係を示します。
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|
ローマ神(英語読み) | 物質 | |
1 |
太陽 |
アポロン |
アポロ | 金 |
2 |
月 |
アルテミス |
ディアナ(ダイアナ) | 銀 |
3 |
水星 |
ヘルメス |
メルクリウス(マーキュリー) | 水銀 |
4 |
金星 |
アフロディーテ |
ウェヌス(ビーナス) | 銅 |
5 |
火星 |
アレス |
マルス(マーズ) | 鉄 |
6 |
木星 |
ゼウス |
ユピテル(ジュピター) | 錫 |
7 |
土星 |
クロノス |
サトゥルヌス(サターン) | 鉛 |
8 |
天王星 |
ウラノス |
カエルス | |
9 |
海王星 |
ポセイドン |
ネプトゥヌス(ネプチューン) | |
10 |
冥王星 |
ハデス |
プルトー |
ハウス(室)というのは、大雑把に言えば、地上から見える天体の位置関係を示すものです。ただし、実際に見える位置を正確に示したものではありません。
なお、ハウスの意味は、色々な解釈があるようですので、以下に述べたものが一般的というわけではありません。(そういえば、ハウス分割の方法も、色々とありますね。)
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|
|
1 |
第1室 |
「本人の室」 本人の運命、生き方、外見 |
2 |
第2室 |
「所有の室」 金銭感覚、財物管理能力 |
3 |
第3室 |
「知性の室」 知的才能、弁舌能力、兄弟関係 |
4 |
第4室 |
「家庭の室」 家庭環境、家族の愛情 |
5 |
第5室 |
「娯楽と創造の室」 幸運、快楽、恋愛、芸術的創作 |
6 |
第6室 |
「仕事と健康の室」 仕事、法的義務、健康状態 |
7 |
第7室 |
「結婚と協調の室」 結婚、契約、対人関係 |
8 |
第8室 |
「死と性の室」 死、遺産、セックス、神秘能力 |
9 |
第9室 |
「精神と旅行の室」 精神世界(学術、宗教)、遠距離の旅行 |
10 |
第10室 |
「天職と社会の室」 社会活動、社会的地位、職業 |
11 |
第11室 |
「友人の室」 交友関係、グループ活動 |
12 |
第12室 |
「障害と秘密の室」 障害、敵、秘密、潜在意識 |
星座と天体の関係についての重要な概念として、「守護星(支配星)」というものがあり、これにより、星座と天体の意味が相互に関連づけられています。占いの際には、天体がその守護星座にある時には、その天体の持つ意味が強くなると解釈すれば良いのでしょうが、ほとんど気にしない人もいます。
なお、ハウスは、星座と1対1に対応しています。
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|
|
1 |
白羊宮(おひつじ座) |
火星 |
第1室 |
2 |
金牛宮(おうし座) |
金星 |
第2室 |
3 |
双児宮(ふたご座) |
水星 |
第3室 |
4 |
巨蟹宮(かに座) |
月 |
第4室 |
5 |
獅子宮(しし座) |
太陽 |
第5室 |
6 |
処女宮(おとめ座) |
水星 |
第6室 |
7 |
天秤宮(てんびん座) |
金星 |
第7室 |
8 |
天蠍宮(さそり座) |
冥王星(火星) |
第8室 |
9 |
人馬宮(いて座) |
木星 |
第9室 |
10 |
磨羯宮(やぎ座) |
土星 |
第10室 |
11 |
宝瓶宮(みずがめ座) |
天王星(土星) |
第11室 |
12 |
双魚宮(うお座) |
海王星(木星) |
第12室 |
アスペクト(座相)とは、天体間の角度(黄経値の差)のことです。この角度の値により、天体の意味が少し変化します。
以下に、2つの天体が作る代表的なアスペクトについて挙げておきます。この他に、3つの天体が作るアスペクトや、4つの天体が作るアスペクトなどもありますが、説明は省略します。
なお、以下の表の角度の許容差(「±」の次の数値、「オーブ」と呼ばれている。)は、人それぞれの考えで決めているようです。ここではミステリーアートで使っている値を参考に示しておきます。
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|
|
|
0゜±5゜ |
− |
コンジャンクション |
互いに強調 |
30゜±1.5゜ |
1/12 |
セミセクスタイル |
少し良い影響 |
45゜±1.5゜ |
1/8 |
セミスクエア |
少し悪い影響 |
60゜±3゜ |
1/6 (2/12) |
セクスタイル |
良い影響 |
72゜±1.5゜ |
1/5 |
クインタイル |
少し良い影響 |
90゜±3゜ |
1/4 (2/8, 3/12) |
スクエア |
非常に悪い影響 |
120゜±3゜ |
1/3 (4/12) |
トライン(トリン) |
非常に良い影響 |
135゜±1.5゜ |
3/8 |
セスクィクワドレイト |
少し悪い影響 |
144゜±1.5゜ |
2/5 |
バイクインタイル |
少し良い影響 |
150゜±1.5゜ |
5/12 |
クインカンクス |
悪い影響 |
180゜±3゜ |
1/2 (4/8, 6/12) |
オポジション |
不安定、対立と緊張 |
赤緯差±1゜ (注2) |
− |
パラレル |
少し強め合う |
注1: 360゜を、その角度で割った値です。
注2:地心黄経差ではなく、地心赤緯の角度差が±1゜の場合です。
以下のものは、個人的な意見になります。
《占星術における人格の分類について》
占星術における、人格の分類手法は、占いというものを抜きにして考えても、色々と興味深い点があります。一番面白いのは、「人は、生まれながらにして、性格が決まっている」ということですね。「三つ子の魂、百まで」という言葉がありますが、占星術の場合は、「赤子の魂、死ぬまで」ということになります。このような宿命論的な考え方は、現代科学でも、ある程度は支持されています。ただし、科学の場合は、「出生時の星の位置」ではなくて、「遺伝子」であると考えていますけど。
《太陽星座による占いについて》
占星術において、一番簡単な占い方法としては、「出生月日」により、出生時に太陽が位置していた星座を割り出し、その星座に割り当てられた性格で占う、というものがあります。この方法は、非常に簡便なので、雑誌の占いなどで、おなじみのものです。人によっては、この方法を軽く見る人もいますが、占星術において、太陽は最も重要な星であり、その人の性格については、これだけでもかなり予測することができると言われていますし、私も、そう考えています。
《星占いは、当たるのか》
正直言って、「星は性格を表わす」ことはあっても、「星で運命は決まらない」のではないかと考えております。ですから、雑誌の「星占いによる運勢」欄は、ほとんど見ません。(実は、書いたことはありますが・・・書いてる本人が、信じていなかったりする。 (^^;;; )
まあ、自分の人生を、星に握られてなるものか・・・というワガママがあるのかもしれませんね。