ライダーウェイト・タロット解説

§2 The Lesser Arcana
小アルカナ
(後書き)


 ここは、§2の後書きの部分です。

Such are the intimations of the Lesser Arcana in respect of divinatory art, the veridic nature of which seems to depend on an alternative that it may be serviceable to express briefly.
占いの技術という点で「小アルカナ」が暗示しているものとは、簡潔に表現することが実用的であろうという代替手段に依存しているように見えるというのが、その真実の性質である。

 小アルカナと大アルカナの根本的な違い。
 それは、「簡潔さ」という点にある、ということですね。
 「簡潔」であるために、より分かりやすくて「実用的」であるということでしょう。
 裏を返せば、大アルカナというのは、複雑で分かりにくく、実用的ではないということになりますね。
 実際、そう思いますけど。

The records of the art are ex hypothesi the records of findings in the past based upon experience; as such, they are a guide to memory, and those who can master the elements may--still ex hypothesi--give interpretations on their basis.
(占いの)技術の記録は、仮説によれば、経験に基づく過去の中に見いだされたものの記録である。それなりに、それらは記録の手引書であり、また、要素を習得できた人々は、なお仮説によれば、それらの基礎の上に、(占いの)解釈を与えることができるかもしれない。

 正しいかどうかはともかく、「占いというのは、過去の経験則に基づいて編纂された手法であり、現代においても充分に科学的な手法である。」と言う人がいます。
 現実には、それはどうかな〜、と思うことが多いんですけどね。

It is an official and automatic working.
それは公式的であり、および自動的な作業である。

 もし占いが科学的手法であるのならば、公式的、公認的な手法というものが存在しますし、公式を利用する作業というのは、自動的、機械的な作業となります。
 一種のコンピュータ占いみたいなものですね。
 ちなみに、占星術やトランプ占いの技術には、これに近いものがあります。

On the other hand, those who have gifts of intuition, of second sight, of clairvoyance--call it as we choose and may--will supplement the experience of the past by the findings of their own faculty, and will speak of that which they have seen in the pretexts of the oracles.
他方では、直感・透視力・予知能力の、天賦の才のある人々は、…我々が選択する(占いを依頼した)時にそれを呼びだし、そしておそらく…彼ら自身の才能により発見したものにより、過去の経験を補い、神託という口実で、彼らが見たもののことを話すだろう。

 こちらは、神託占いというものについての解説です。
 ウェイト氏は、オカルト研究家でしたので、こちらがメインの領分です。
 でも、これについては、多くを語ることができないというのも、承知しているのでしょう。

It remains to give, also briefly, the divinatory significance allocated by the same art to the Trumps Major.
それは、「大アルカナ」に対しても、同様の技術によって割り当てられる占いの重要性を、また簡潔に、与え続けている。

 小アルカナも大アルカナも、神託にて占いをすることの重要性を説いています。
 ただし、小アルカナから受ける神託は、大アルカナと比べれば、はるかに簡単なものとなりますけどね。


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