タロット占いマニュアル − 第2章:練習編


☆2-1 カードに親しむ方法

 カードと親しくなるには、カードと一緒に遊ぶのが一番ですね。
 では、どうやって遊ぶかというと、

などがあります。


☆2-2 シャッフルの練習

 タロットのシャッフル(かき混ぜ)は、トランプと比べると

ので、慣れないうちは、ちょっと面倒です。

 カードがきちんと混ざるように、見た目にスマートなシャッフルとなるように、何度も練習しておきましょう。なお、シャッフルの時は、カードを裏向きにしてフェース(表の面)を見えないようにして混ぜるのが普通です。

 タロットカードのシャッフルでは、最もポピュラーな方法です。充分な広さのテーブルがあるときは、この方法が最も効率的です。

 カードをかき混ぜる時は、右向きに回すようにして、カードの順番だけでなく、上下もバラバラになるように注意して混ぜます。

 ごく普通にトランプを使うような感じのシャッフルです。トランプサイズの、あまり大きくないカードの場合や、シャッフルにテーブルが使えない時などでは、この方法が使えますね。

 でも、この方法だけでは、78枚ものカードを効率良く混ぜることはできませんし、カードの上下を反転させることもできませんので、他のシャッフルと組み合わせて利用することになります。

 先ほどの方法で、カードを横向きに持って行うシャッフルです。トランプよりちょっと大きめの、タロットとしては普通サイズのカードでは、慣れればこの方がスピードが上がり、シャッフルの効率がいいようです。でも、78枚ものカードを混ぜるには、かなり時間がかかります。大アルカナ(22枚)向きですね。

 

シャッフル用のテーブルが使えない時は、こうやって手の中で、カードの上下を混ぜることができます。

 小さいカードでは、このように小さなテーブルの上でも、簡単に混ざります。でも、小さすぎるカードを一つの山にまとめるのは、慣れないと、ちょっと面倒です。

 大きすぎるカードのシャッフルは大変です。きちんと混ぜようとすると、とても広いテーブルが必要となります。テーブルが小さい時は、順番を変えることが難しく、上下の入れ替えぐらいしかできませんので、他の方法と組み合わせることが必要となります。

大きなカードでも、横向きに持てば、手の中でシャッフルすることができます。テーブルの上でかき混ぜるのと併用すると、それなりの効果があります。でも、この方法で78枚のフルデッキをシャッフルするのは、ちょっと大変。22枚の大アルカナのみの場合だと、この方法でも充分です。

大きなカードでも、手の中で上下を入れ替えることができます。テーブルが小さい時は、こちらの方が効率的な場合もあります。


☆2-3 カットの練習

 カットというのは、デッキを3つぐらいのパイルにほぼ均等に分けて、どれがいいかを質問者に選んでもらうわけです。この「均等に3等分」というのは、慣れないと少し難しいので、練習しておきましょう。

 あと、タロットには上下がありますので、実際のカットでは、どちらが上かも、同時に選んでもらうようにしましょう。

 

 その後、選んでもらったカードが一番上になるようにして、裏向きのままで、デッキを一つにまとめておきます。


☆2-4 カードとの対話

 タロットに親しむためには、パートナーであるカードと心を通わせることが大切です。そのためにも、日頃からカードと対話しておくことが必要ですね。
 まあ、世の中には、飼っているペットに話しかける人や、仏壇や仏像に向かって話しかける人や、本やコンピュータのディスプレィに向かってブツクサ言う人もいますので、それに近い行為だと思ってもらえれば結構です。

 対話のやり方ですが、基本的には、一枚のカードを選んで、一対一で対話を行います。最初から78枚全てを対話の対象にしてもいいのですが、最初のうちは、大アルカナだけでも結構です。

 まずは、適当な一枚のカードを選びます。選び方は、

の、いずれの方法でも構いません。

 選んだカードを、じっと見つめます。そこには、人物や動物、植物や事物などの、対話ができる対象がありますので、それに対して心の中で語りかけてみます。すると、相手からは、何やら反応が返ってきます。もちろん、実際にカードが喋るわけではありませんが、心の中に語りかけてくるというか、何か感じるものがあるはずです。それを手がかりにして、カードの中にいる相手と対話を進めていくわけです。
 「こんにちは」「お元気ですか」「ごきげんいかがですか」「今日は、こういうことを聞きたいんだけど」「何してるの」「私のこと、どう考えてる」「あなただったら、どうする」「それから、どうなるの」などなど、慣れてくれば、色々と会話のネタはあります。

 で、ひとしきり対話を楽しんだら、きちんと感謝の気持ちを伝え、お別れの言葉で締めくくります。
 「今日は、どうもありがとう」「じゃあ、またね」「これからもよろしく」「では、さようなら」などと、挨拶にも色々ありますよね。


☆2-5 カードによる瞑想

 タロット占いを行うのに、イマジネーション(想像力)というのはとても大切な働きをします。それは、タロットによる占いは、「ストーリー作り」が重要だからです。瞑想というのは、このイマジネーション能力を磨くことができる、ということですね。

 まず最初に注意しておきますが、「瞑想」というのは一種の自己暗示による幻想ですので、暗示にかかりやすく抜け出しにくい人は、決して一人では瞑想作業を行わないで下さい。あと、体調や精神状態のすぐれない時には、嫌なイメージが喚起される場合がありますので、そういう時もなるべく避けて下さい。
 それから、瞑想の終了後は、きちんと「自己暗示」を解くことが必要です。そうしないと、日常生活に支障が出る場合があります。瞑想から得られるものは、日常生活とは本来何の関係もないもの。一般社会で普通の人として生きていくためには、そういうことを、きちんと理解しておくことが必要ですね。

 では、心の準備ができたら、瞑想をやってみることにしましょう。

 まず、瞑想には、静かでくつろげる場所が必要です。姿勢は、椅子や床に座るか、寝転んでいてもいいですね。瞑想中は、あまり体位を変えないので、楽な姿勢を保てるようにしておきましょう。

 心を落ち着けてから、適当な一枚のカードを選びます。選び方は、第2-4章と同じやり方で結構です。

 選んだカードを、じっと見つめて、頭の中にその絵を「像」として記憶します。それから、徐々に目を閉じてゆき、実際に見えている像を頭の中に記憶されている像に置き換えていきます。完全に瞼を閉じれば、目の前に見えているように感じる「像」は、頭の中にある記憶像ということになりますね。
 そのままの状態で、心を静かにして呼吸を整え、しばらく待ちます。すると、その像に自分自身が融合して、その中の世界に溶け込むことができるようになります。あとは、「心の赴くまま」に、その世界を探検します。あちこち調べてみるのもいいし、あちこちで話をしてみるというのも、いいですね。まあ、ここでのやり方としたら、先ほどの「カードとの対話」と似たようなものになりますが、一つ違うのは、「意識的に動いてはならない」ということです。あくまでも「心の赴くままに」というのが、キーワードです。意識は「観察と記憶」だけに使って、無邪気なカード世界(自分の分身を含む)を観察してみましょう。

 さて、ひとしきり(最初のうちは、5分程度で充分)探検したら、その世界から抜け出します。ここだけは、意識的に行うことが必要ですね。カード世界の住人にさよならを言い、静かに目を開け、現実世界へと戻ってきます。

 最後は、深呼吸をして、瞑想によって体の中に残っている「カード世界の気」を完全に放出しておきます。大地に触れて「残った気」を流し去るのも、いいですね。
 途中で寝てしまっても、起きた時には忘れずに「残った気を抜く」作業をやっておいて下さい。そうしないと、ボーッとした感じが残ってしまう場合があります。


☆2-6 一人占い

 タロットカードに親しむには、一人占いというのは、とても効果的です。自分のことを一番良く知っているのは自分自身ですし、一番知りたいのは自分自身のことですから。

 一人占いの方法ですが、練習としての占いならば、あまり堅苦しく考えずに、気軽な質問をカードに問うてみるのがいいですね。そういう意味でも、カードを一枚だけ使う占いは、一人占いには効率的ですし、一枚のカードを深く知る上でも、極めて有効です。(もちろん、実践で使う本格的なスプレッドも練習した方がいいのは当然ですけど。)

 実際の占いのやり方については、以下の簡便な方法を、お勧めします。

という、一連のことを、好きなだけ繰り返すわけですが、ここでは、結果がなるべく早く判明するものを質問に選ぶのがコツです。あまり先のことを占うと、占い結果を忘れてしまって、「単なる占い遊び」になってしまいますからね。


☆2-7 タロットカードについての勉強

 タロットに関する本は、日本語版が結構たくさん出版されています。でも、お薦めの本となると、かなり少ないのが実情ですね。

 最も効率的なのは、カードに付属している解説書(小冊子)を読むことですが、輸入カードの場合は、ほとんどが英語で書かれています。内容的には、専門用語も多いので、読み解くのは、ちょっと大変かもしれませんが、ヒマな人はチャレンジするだけの価値はあります。

 英語が読めない人は、とりあえず、市販されている日本語の本を色々と読んでみるしかありません。その中で、自分に合った本を見つけることになります。

 なお、タロットカードには、各種の宗教、神話、風俗などが象徴的に描かれていますので、そちらの知識を増やしておくことも大切ですね。とりあえず参考になるものとしては、

といったものがあります。


 
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